
本編『NORN9 VAR COMMONS』をクリアしてから約一ヶ月。その間何をしていたか。勿論答えは一つだけ。FDである『NORN9 LAST ERA』をやる!!話はそれからだ!!と意気込んで即行ラストイーラを手にしたもののまるでタイムスリップしたかのように時間が溶けている、です。大丈夫??今8075年じゃない??コールドスリープしてない??

アニメも見て設定資料集も読んで、先走って『NORN9 ACT TUNE』を少しプレイして……そんな感じで存分にNORN9の世界観に浸りながら走りきったラストイーラ。先ず確実に言えることは、ヴァールコモンズ+ラストイーラで完全なNORN9の世界を堪能できること。本編の時点で一つのルートだけでは全容の把握がとても難しく全ルート攻略してようやく目の前が開ける形の物語ですが、このラストイーラを加えれば設定の細部まで補足が至り改めてこのNORN9の世界を認識することができます。NORN9ならではの面白い所として主人公3人と攻略対象9人という大所帯の行方がそれぞれのルートで様々な関係に変化していることがあり、恋愛ペア以外の様子を見守るのも醍醐味です。恋愛や友情をもって互いに真摯に支え合う姿は心から励みになります。戦争を知らない平和な時代の人間だからこその価値観も強い。それも踏まえてNORN9と世界の平和について深く考えるとタイムスリップしたかのような感覚を得られるのでオススメです。
この先、推しのこはると遠矢正宗中心に所感や疑問をメモがてら語ります。

3つのモードから選ぶ前に最初に読むのがプレリュード!ノルンに乗船した順番で物語が進んでいきます。これはトップバッター、一番最初に乗船した遠矢正宗の文。何しろ最初なので一人で船に乗っていて哀愁がすごい。初っ端上司と叔父に素気無くされていて見るからにうだつが上がらない。色々緊張している割に叔父が開発したヒヨコさんに呑気に料理を作ってもらっている姿はとても可愛い。あまり自己主張しない正宗の心内がこれでもかと読めて大変嬉しい。この次に駆が乗ってきますが、その時隠した歴史の本は無事見つからなかったんだろうか。駆との信頼関係で何とか隠しきったのかなあ。
本編ではこはると空汰という最後の乗船者からの視点で始まるので、事前にどうやってメンバーが揃ったのか知れるだけでかなり色々わかります。一月と平士と七海の墓参りやロンと一月の不思議な縁など本編関係性でも納得がいく出来事ばかり。これはもう実質本編。

これはみんなが何より求めているコンチェルト!1つ目!ハッピーエンドのその後を語る物語で、最もボリュームがあります。本編で謎の組織過ぎた『世界』の人物が多数登場していよいよ事のあらましが明らかになります。謎の拗らせおじさん結賀史郎も結賀駆ルートでしっかり解明。あれやこれやそれの疑念が大体解決したりやっぱり未来の状況が心配になったり、本編以上の余韻も残していきます。各キャラで明るい話の日輪と暗い話の月影に分かれていて事前に心構えもバッチリ。いや、それにしても遠矢正宗ルートの月影凄くない??最悪の未来に繋がる歯車を選んだだけあるヤバさじゃない??本編の遠矢正宗のメリバな雰囲気に打ちのめされていた筆者、ラストイーラでも危うくて切なくてそれでも互いを頼りとして穏やかに微笑み合っている正こはに無事ノックアウトされました。上記画像の様に他ルートで穏やかに接する正宗とこはるに癒される度胸がしめつけられるぐらいには正こはに……焦がれているんで…………あとツリーハウス図書館に抗うのは不可能。
他の皆の簡単感想~!
結賀駆→致命的なバグで強制バッドエンドに陥った時は恐怖で震えました。でも孤児院の話や史狼との因縁の話はとても良かった。あと駆相手のこはるは相変わらずスルー力と牽制力が高い気がするのは炎>緑の関係からだろうか。こはる組で一番尻に敷かれそう。
市ノ瀬千里→ノルンで皆と暮らしている変わらない暮らしの様で逞しく頑張っている千里。自信が無くてもこはるを想い懸命に励んでいる千里の姿に皆もほっこり。正宗とこはるの身長差を気にしていたり周囲との比較が的確で面白い。祭りのペアルックと絵本の話が良き。
吾妻夏彦→兵器を捨てて暮らすと決めた夏彦。しかし、夏彦の頑なな態度に業を煮やした世界が夏彦を捕らえる。ロンを従え銃を手に突き進む深琴がとにかく格好良かった。映画かな?日輪で幼馴染の正宗の話をよく聞く深琴や一声かける夏彦がとても有難かった。
二条朔也→唯一リセットを行う世界線。朔也も深琴も組織の世界の中で暮らす日々。リセット後の世界の行方について会議したり色々あって正宗が本を書くことになったり。純白の未来、汚れなき世界。正宗が書いた正史書は今後どのような未来をもたらすのだろうか……
加賀美一月→お嬢さんを俺にくださ~い!という軽いノリではなく真剣に深琴の家に挨拶に行く一月。死んだ双子の姉の和葉の恋話を聞いたりしながら庶民として暮らす深琴の趣、正直好き。私塾の教師やってる一月先生の講座もっと聞かせて~!
宿吏暁人→弟千里とその恋人こはる、それと自分の恋人七海とついでに駆が住む一家を支える大黒柱。ノルンメンバーのママ枠の生活力は伊達ではなく甲斐性しかない。すごい。でも強めなオネェさんに迫られて怯えきっているし、それをしっかり撃退する七海は面白くも良かった。
室星ロン→記憶を無くしたロン、七海のものになれて嬉しそうですね。16歳の七海が一人でロンの教育に試行錯誤している様が多くの人間の不安と性癖を形成すると思う。より純粋なロンの暴行や倫理観を目の当たりに出来て平和という理想を揺るがしてくれる。
乙丸平士→二人で元気に逃亡生活。一座のじいちゃんや皆とも会えてほのぼの団欒。因縁のある弥広が出てきますが彼は平士を大切に思っているので万事オッケー。平士と弥広にとって一座の存在は大きいなあとしみじみ感じる。

2つ目フーガ。本編のルートを攻略対象視点で見られる。恋に落ちる過程を丁寧に書いているので本編で何で!?!?と翻弄された方も安心。画像はやっぱり遠矢正宗。世界出身だとか世界のことも全くわからない時の正宗ルートはかなり困惑が強い話ですが、全てを経た後に読む正宗のモノローグはマジで重い。想像以上に重い役目があり、能力者たちの命運を左右する。世界側と能力者側の板挟み。重い。そして某突然の内乱参加命令は、船を監視している世界が正宗の様子を危ぶみ朔也の無事に痺れを切らしてあんな早急な命令をくだしたのかなと思った。過去視や未来視の能力はリセットそのものには必要なく、正宗や朔也の命はあまり損害ではない。そんな世界側の冷たい意図が透けて見える。あと基久の目的がヤバいのでそれも加わっての事なのかな。正宗コンチェルト、読み返すか……………あ、言い忘れてましたがこのフーガでは本編に無いシーンも追加されていて、激かわ超絶キュート永遠に最強な眼鏡こはるが見られます。ありがとう!!!最悪の未来に繋がる歯車を選びます!!!これが運命だ!!!!!
他の皆もいっぱい追加されてて本当にすばらしい。こはる好きとしては駆フーガの才能を持て余した無駄な長文シーンがあと9回は新規で見たいぐらい好き。噂では深琴を見る朔也は常にその状態らしくて、情報量足りなくてびっくりした。一瞬で長文が並ぶような言語的な理解を経ているってことなんだろうか。いや、長文が並ぶぐらい色々感情が拗れてる、が近い? 駆と朔也は多分そういうタイプ

3つ目ファンタジア。みんながちびキャラになってしまって大変!なコメディ。それぞれのチームに分かれて夢の中で試練を受けます。遠矢正宗の試練、見ました?「こはるを我慢する」ですよ?え?駆も千里も自分の欠点と向き合っているのに、何故正宗はそれ?完全に欲の部分だよね?何で?空汰くん何で!?正宗ルートでもないのに!?……と騒ぎながら進めましたが、御覧の通りありましたね。欲。正宗バッドエンドのハーレムの様に本当に割と見境なくなってしまうんだね……と思いつつ、「こはるを我慢する」という文面が刺さりすぎて倒れました。ついでに上記画像でこはるは甘い匂いがすると正宗が言いますが、アクトチューンでもロンがこはるのバッグが甘い匂いするって言うの聞いたんですよね。やっぱりそれって……若い女性の汗に含まれるという桃の甘い香りラクトンの成分ですか??ここぞとばかりに桃概念こはるを推してるってこと??つまりその匂いを求めれば、こはるを手にしたも同然ということ……????(欲の塊)いや遠矢正宗のウッディフゼアな香水を手に入れたので何とかこはる概念の甘い香りを再現したくて(早口弁解)
というわけで、ド変態な内容で終わってしまいましたがラストイーラは素晴らしい!!という感想でした。滝島雪という愛嬌ある個性派ドMも大活躍。雪くんがいるお陰でド変態が息をしていても許される空気感があり非常に命が助かっています。ポジティブドMは炎の能力よりも最強かもしれない。そんな希望が満ちている。