
数多くの経営シミュレーションゲームが市場に並ぶ中、その圧倒的な個性と説明役の男の常軌を逸した表情と言動から一部に熱狂的なファンを持つ知る人ぞ知るゲームがある。その名もWe Happy Restaurant。幅広い分野を手掛けるグローバル企業グループが経営するレストランの店長となり、顧客のために終わりのない需要と消費を創出するのが役目だ。つまり、レストランにおいては顧客が一生涯レストラン内で食事を続ける環境を作るのが目的となる。最先端の技術を駆使した料理の数々には筆舌に尽くしがたい味わいがある代わりに幾つかのリスクがあるが、予め顧客は全てのリスクを評価して自己責任で利用しているから安心してほしい。脳波広告精密転写機や洗脳パレードにおける勧誘は、新たな顧客にレストランの素晴らしさを知ってもらう最適な手段だ。全てはWe Happy Restaurant Mega Group Inc.が培ってきた確かな業績を基に進めていくので、初心者も気軽にやってみよう!私は3日で経営理念が叩き込まれたので三日坊主の店長にもこの世界観は効く。強い中毒性があること以外にはこれといった副作用が無いので安全だね!

レストランの外には病院施設を備えた車両が並ぶため、万が一顧客が病気になって食欲を失くしても早急に適切な治療が行える。心から祈らせたり虫の消化液を注入したり電気を流したり脳を取ったり慰めたりと多様な治療法によって元気になった顧客は、再びレストランで延々と食事をしてくれる。じゃあ永遠に同じ顧客が食事をしてくれるかというとそうではなく、顧客はDNA配列の異変や筋肉組織の崩壊により段々と容姿も変化していき最終的には「昇天」します。この「昇天」という言い方、死亡と絶頂の両方なんだろうなと思える。昇天した顧客は遺産とバイオ原油をその場に残し、最後までレストランの利益となってくれるなど顧客を骨の髄まで利用する経営に怯えて逃げ帰る店長153万人ぐらいいたと思う。
レストラン内部では次々とフードマシンを作って収益を用いてアップグレードしていくことでより高度なフードを生産出来る仕組み。新鮮な核廃棄物を使用したバーガーラジエーターを始めとしたヤバすぎるフードマシンが並ぶ中、コーヒーマシンだけはコピ・ルアク的でマシなのがウケる。猫の権利も守られている。チャーハンマシンも高額とはいえマシかも?(感覚の麻痺)

レストラン内部と医療車両だけでなくオフィスで待機する個性的な従業員の様子も見どころ。説明などをしてくれるヤバそうなマネージャーの男は、何故かテーブルと電話しかない部屋に立ちっぱなし。しかも直接部屋の外に出れる出口はなく、食べ物にかけるソースを作るソースマシンが並んだ部屋とドスケベ秘書がいる部屋にしかいけない。そのダブルベッド一体何なんですか???それも業務なんですか????巨大企業には計り知れない陰謀が渦巻いていますね…………他にはロボット会計士やバイオシェフ等レストラン運営に有用な従業員も課金で参加!時々台詞も呟くので割としっかりキャラクターが想像できるのも面白い。
全部のフードマシンやフロアを開発したらその先に何が待っているのか、まだ辿り着いてはいませんが全部クリアしたら再び新しい店長としてリセットしても楽しめそうな今作。シンプルな操作性ながら中毒性が高い世界観にあっという間に洗脳……魅了されたので更なるアプデや更新が来ないかな~などと需要を募らせています。