【パラノマサイト FILE23 本所七不思議】怪談に纏わる蘇りの秘術を巡る争い

刺激的なマダムは最高。

昭和後期の東京都墨田区。戦後の環境汚染が問題になりオカルトブームでこっくりさん等が学生の間で人気になった時代。筆者も中学生の時に同級生の強い頼みで夕方の校舎に残りこっくりさんに付き合った思い出があります。小学生の時はトイレの花子さんが恐れられていました。思い出すと七不思議や怪談がより生活に身近だった記憶があります。
このホラーミステリーADVパラノマサイトではその墨田区で語られる本所七不思議という複数の怪談に纏わる物語がテーマとなっていて、本所七不思議自体の考察としても非常に面白い内容になっています。公式サイトの必要最低限の情報から、怪談を元にお互いの事情を察する対話や考察が行われるのかな?と思ったら……呪詛珠というものが出てきて、その所持者は条件を満たせば簡単に呪詛が使える!というさながらチートアイテムの存在で雰囲気が一変!互いの条件を探る一触即発状態!この呪詛珠でゲームに勢いがついてとても楽しい。正直呪詛バトルオンリーでもっと見たいぐらい。

※そこそこネタバレ注意
本所七不思議は、置いてけ堀/馬鹿囃子/送り提灯/送り拍子木/落葉なき椎/津軽の太鼓/足洗い屋敷/片葉の芦/消えずの行灯と9種類の話がゲーム内で紹介されて、それぞれに呪詛珠が存在し個別の発動条件と呪殺方法があります。これがも~~ジョ〇ョみたいな面白さ。足洗い屋敷は声を聞いたものを圧死させるという結構強力なものですが、耳を塞がれたり聞こえないと発動出来ない呆気なさがある。片葉の芦が最凶なため結末で大いに活用されつつ、基本大体の呪詛珠が一度か二度、或いは使われないぐらいで……送り提灯を更に生かしたとこ見たい……マダムの拍子木とあやめちゃんの太鼓は興家の置いてけ堀ぐらい活用しててすごかった。覚悟を決めた女性の思い切りと怖さが存分に発揮されている。にしても津詰さんの強さと安定感も半端なかったね……精神と能力がタフ過ぎてホラーミステリーが一気に人情ドラマになった。この作品を暗く重くさせすぎない力があった。

呪詛珠を持つ呪主たちの戦いが胸熱でそればかり考えてしまいますが、事の顛末を探っていく面白さがしっかり存在。案内人が用意したカラーテレビに映し出された映像を見ながら一つ一つ事実を確認して物語に関与していく流れで、自分が知っている知識も改めて確かめる意義が在ります。書けなくなったペンを除光液に浸せば書けるようになる豆知識を聞いていたのでその場面で一生懸命自分で何とかしようとしましたが、知ってるわけがないんだなあ……と最後に気づけて良かった。メタの様な違うような。案内人さんとも談笑したいね。
臨場感に満ちた画面演出、生き生きとした登場人物たちの表情、昭和後期墨田区の風情溢れる街並み等グラフィックがとても良くて夢中になって終わらせました。ポストエフェクトのオンオフ目にありがたい。オート機能はあるけどスキップ出来ないのはちょっと不便で、あのカラーテレビに掴みかかる意識を想像すると楽しくなれます。多分この作品を見届けたファンの多くが墨田区を巡るんだろうなと思う。呪い、それ自体より使う人間側の思惑が恐ろしい事態を招きがち!

ミヲちゃん頼れる~。

公式サイト→ https://www.jp.square-enix.com/paranormasight/

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